「江戸時代の末期に明治維新が起こり、士農工商の身分制度が崩壊した」と私たちは、学校等で習っておりますが、実際には戦乱の時代が終わりを告げて、平和な時代になった江戸時代初期から、身分制度崩壊の精神は息づいていたようです。
それが証拠に、江戸時代の代表的な儒学者には、朱子学の林羅山、陽明学の中江藤樹、古学派の伊藤仁斎や荻生徂徠、そして実学の貝原益軒が登場しました。
他にも、藤原惺窩、林羅山、新井白石、室鳩巣、熊沢蕃山、大塩平八郎、山鹿素行、佐藤一斎、頼山陽ら錚々たる人たちが、日本人の精神性を高め鼓舞して来ました。
彼らの出身は武士ではなかった者も多く、農民や商人でありながら、武士たちから「先生」「師匠」と呼ばれ尊敬されていたのです。
既に江戸時代には、このように身分制度を超えて、「学問の高みに到達した者」を敬う心が、静かに芽生えていたのです。