私たちは他人様から「してもらった」ことばかりで、なかなかその御恩を返すことが出来なかったりします。
「親孝行したい時に親は無し」と言うように、特に両親に対しては余りにも身近にいるため「いつでも返せるじゃん」と思って、先送りされやすいものです。
また友人達に対しても、同じような感じかも知れません。
「あの人には感謝しても仕切れない」と思っている恩人に対しても、「いつの日かに報恩するから」と思いながら、いつしか忘れてしまいがちです。
結局、人は独りでは生きていけないと知りつつも、「自分一人で生きてきた」ような顔で生活しています。
私もこの歳になると、何十年前にお世話になった方々が、この世を去って逝くことが多くなってきました。
「病気を患っていらっしゃる」とは聞き及んでいても、突然の別れは大きな哀しみを伴います。
「なぜ生きているうちに、してあげられなかったのだろう。」そう後悔する事も多くなってきました。
「恩送り」という言葉がありますが、これは「報恩」恩をその方に返すというのではなく、他の方に恩を繋げて行く感じです。
恩人に恩を返すことが出来なかったとしても、「他の人に恩人からいただいた御恩を渡して行く」それこそが恩送りなのです。
大切な方に報恩できなかったとしても、新しい方に「恩送り」をしていく。
こうしたことも報恩と呼べるのではないでしょうか。