1匹の豚が狼の檻中に放り込まれました。
豚は当然、狼たちに食べられてしまうと思って、恐怖におびえ、用意された餌も食べることができませんでした。
しかし、狼は襲って来るどころか、自分たちの餌まで、豚に与えました。
豚は段々と安心してきて「狼は自分を恐れているんだ。この檻の中で一番強いのは自分なんだ。」と思うようになりました。
そうして豚はドンドンと肥え太り、やがて身動きできないまでに太ってしまいました。
そこに狼たちがやって来ました。
豚は狼を見た時、悟りました。
「狼たちは自分を太らせるために、今まで手を出さなかったのだ。」と。
この話は、現代の私たちにも当てはまります。
初任給を他の会社より上げて、優秀な人材を入社させて、ボーナスもたんまりと出し、結婚させて、家族を持たせます。
そうして、退社や独立させないように、飼い慣らせます。
やがて歳をとって行くにつれて、「このまま安泰ならば、この会社で一生を終わるのもいいか。」と思わせておいて、地位や名誉を与えるのと引き換えに、段々と無理難題な仕事を押し付けたり、サービス残業をさせたりします。
それでも、安泰という手錠から逃れられなくなった私たちは、会社に縛り付けられて、ボロボロになって定年を迎えるということです。
こうした「黄金の手錠」は、会社組織だけではなく、様々な組織運営に用いられたりしています。
この手錠から逃れるためには、「安定、安泰を求めず、不安の中にこそ学びがあり、喜びがあること」を、見出す努力をするしかありません。
本当に優秀な人ならば、この黄金の手錠を逆手に取って、自らの人生を上手に楽しむことが出来るはずです。
