看取り

看取り

「看取り」には「看取られる」場合と「看取らせる」場合があります。本来は年寄りの役割は「自然死」を家族に「看取らせる」ことにあるかと思います。「看取らせる」と言う言葉には、強制的な意味合いが含まれている感じがしますが、そこには大きな愛がある様に思います。「こうして年老いて自然に枯れてゆく自分の姿を、子や孫達に見て死と言うものを学んで欲しい。いずれは自分も死ぬことになるのだから」と言う想いもあるでしょう。また「最期に逝く時には、大切に想って来た家族に見守って逝きたい」と言う願望もあるでしょう。ですので「看取らせる」場合は、本人の決心、希望...
老人医療

老人医療

フランスでは、老人医療の基本は「本人が自力で食事を嚥下出来なくなったら、医師の仕事はその時点で終わり、あとは牧師の仕事です。」と言われているそうです。残される人達が「自分たちの感情や別れる辛さの軽減のため、あるいは自己満足の為に、死にゆく人間に余計な負担を強い、無用な苦痛を味わせては行けない。」という考え方からでしょう。自分の年齢が還暦前後になれば、親も80歳を超えていく世代の方が多くなります。60歳を超えた自分たちであっても、昔ならば死んでもおかしくない年齢に達しているのに、親が死ぬことに関しては意識していないと言うのはさもありなん...
劣等感の塊

劣等感の塊

私は小さい頃はイタズラ好きで、良く周りの大人たちを困らせていました。落とし穴を作ったり、スカートめくりは日常茶飯事で、小学校時には学校の池の鯉や金魚を全て釣り上げて、池の周りに並べて「〇〇小学校の魚屋さん」を開業して、校長先生からシコタマ怒られたりしました。また今となっては時効?かと思いますが、近所の家々のガラスを何枚も石を投げつけて割ったりした事もありました。とんでもない悪ガキだったと自分でも思います。(笑)そんなどうしようもない腐ったミカンであった私も、信仰心がある優しい母と、誰とでも直ぐに仲良くなれる社交的な父の教育もあって、中...
看取るということ

看取るということ

今は多くの方が病院でお亡くなりになるのが現状です。50〜60年前ですと、病院で亡くなるよりも自宅で息を引き取る方が多かった気がします。「自分の命が消える瞬間、あなたは何処で迎えたいですか?」という質問をされたら、あなたはどの様にお答えになりますか。それこそ「死に場所」と言う事になりますが、私は「出来れば空を見て死ねれば良いな」と思っております。後始末のことはあまり考えていないので、そんな勝手な事を言っておりますが、出来れば青い空と太陽に照らされながら草原の中、心地よい風に吹かれ「あゝいい人生だったな」と言って、この世を去りたいと思って...
納棺体験

納棺体験

先日、主催したイベントにおいて、初めて棺の中に入って、亡くなった時の気持ちを体験する事が出来ました。真っ暗な中、棺の外で微かに聞こえる人の話し声…亡くなった方も、もしかしたらこんな感じなのかな…いや死んでいるのだから、そんな感覚もないのかな…などと色々と考えてしまいます。5分くらい真っ暗な棺の中で考えたことは、今までの自分の人生の振り返りと愛する人達の顔。私の人生はこれで良かったのかな…妻子に感謝の気持ちを伝えてこれたかな…友人知人にちゃんと対応して来れたかな…後悔と反省ばかりが頭の中をよぎります。自然と流れ落ちる涙…でも棺桶の中は窮...