青色発光ダイオードを発明し、ノーベル賞を受賞した3人の中に中村修二氏がおります。
彼は、徳島大学を卒業して京都大学の大学院を受けたのですが落ちてしまい、日亜化学工業に就職しました。
そこで、青色発光ダイオードの実用的な高輝度青LEDを発明して、会社に多大な利益をもたらしました。
しかし、会社側は「予算をつけて研究させてやったのは会社だから」という理由で、ボーナスを2万円上げただけでした。
その後、中村氏はアメリカに渡り大学の教授になりましたが、同僚達からは「スレイブ(奴隷)ナカムラ」と呼ばれていたそうです。
「あれだけの発明をして、ボーナス2万円の上乗せくらいだなんて信じられない。会社の奴隷だ。社畜だ。」と散々バカにされていたそうです。
中村氏は「このまま黙っていては、日本の科学者にとって良くない。正当に評価される科学界でなければ、素晴らしい科学者は育たない。」と思い、訴訟を起こし、和解金8億円を受け取ったそうです。
お陰で、会社と発明者の関係も幾らか良くなったのかも知れませんが、今だに「会社の設備や資産で研究させてやっている」と言う気持ちを持っている経営者が存在する事も事実です。
実を言うと私も特許を持っていますが、当時在籍していた会社側から「いくら売れても請求しない」と言う念書を書かされました。
それだけに、中村氏の「将来有望な科学者が育つ環境を作りたい!」という気持ちがよく分かります。