江戸の中期に活躍した水野南北は、「人の幸せは健康にあり、健康は小食にある」とした人相学の中興の祖のような方です。
彼のいうように、「小食」は身体のもともと持っている免疫力を高める効用があるのではないかとされています。
それでは、小食よりも過酷な断食は、どんな効用が期待出来るのでしょうか。
断食修行についての歴史は古く、紀元前5世紀頃の古代ギリシャに遡ると言われています。
しかし、歴史文献がそこまでしか辿れないので、そのように言われていますが(おそらく修行とは異なるかも知れませんが)、人間が誕生した時から断食状態はあったと推測できます。
狩猟時代では、狩が成功しなければ木の実や貝や魚、海藻などを食べなければ生きていけなかったでしょう。
天災やその他の状況により、木の実などの食べる物が何も無い過酷な状況に置かれることもあったことでしょう。
そうした否応なく飢餓状態に置かれた場合とは別に、自らで食を断つ断食にはどんな意味があるのでしょう。
一つは、先ほども言いましたが、身体のリセットとして免疫力を高める効用もあるでしょう。
また、命をいただくという「食」に対する感謝の気持ちを持つことにもなるでしょう。
そうした感情とは異なり、ヒンドゥー教やジャイナ教、仏教、キリスト教、イスラム教にも見られる宗教的意味合いの断食もあります。
宗教的意味合いにおける断食には、「霊と肉を分ける」という効果があります。
通常、人は3日間飲まず食わずを続けると、意識が朦朧とし、見えないものが見えたり、聴こえないものが聴こえたりする「幻覚症状」が現れると言われています。
こうした「肉体の生命危機」に陥った時、肉体に宿る魂が離れて行こうとして、霊的覚醒が起きるようです。
極めて危険な行為ではありますが、人は霊的覚醒を求めて断食をする場合もあるとあるということです。
