年老いたロバが、飼い主と共に帰り道を歩いていました。
飼い主もロバも、今日一日の仕事で疲れていたのでしょう。
道端に開いた大きな穴に気が付かず、年老いたロバが穴に落ちてしまったのです。
飼い主は、何とかロバを穴から救い出そうとしましたが、ロバの身体は思った以上に重たく、救い出す事が出来ません。
飼い主は諦めて、苦しまず死なせてやろうとの思いから、ロバの上から土を掛け始めました。
ロバも「ここが自分の墓となるのか」と諦め掛けたのですが、背中に乗った土が思いのほか冷たく重たかったので、身震いして土を跳ね除けていました。
そうすると、土は自分の足元に落ち、踏みしめていると少しずつ穴の外に近づいている事に気が付きました。
こうしてロバは、少しずつ穴の底に落ちた土を踏みしめて、脱出する事が出来たのです。
このお話は、「私たちの人生に降り注いでくる苦難困難も、自分の成長に繋げれば、やがては思いがけない幸福がやって来る」ということを意味しています。
苦難困難が来ない人達は、ずっと人生の終わりをつつがなく過ごすことに、幸福を感じるのでしょうが、本当の幸福とは苦難困難を踏みしめるからこそ与えられるものであることを、この例え話は教えてくれているのだと思えます。