渡部昇一さんが「クオリティ・ライフの発想」という著書の中で、「ダチョウの足」と「鷲の羽」の話を書いています。
ダチョウは地上を最高速度70〜80キロの時速で走ります。
「地べたに脚が着いた走り方」をするという事で、渡部さんは「ダチョウの足とは現実的な処理能力を伴う知性のこと」を言っているのでしょう。
かたや大空を悠々と飛んでいる鷲のように、鳥瞰俯瞰する形で全体を見るような、高度な面を持つ知性もある。
こちらを「鷲の羽」といい、「知性にも2種類あるのではないか」という言い方をされていました。
「学歴の高い者は、この世的な現実処理的な知能が高くて賢い」と思われているのに対し、「そういうエリートではないけれど、賢い人が別途いる。例えば、昭和天皇の知恵のようなものもそうだろうし、イギリスのエリザベス女王の知恵などもそうでしょう。そういう、この世の競争に打ち勝って賢いという認められ方とは違う、一段高いところから見た知恵もある」というような言い方でした。
これについては、もちろん反論もあったようです。
高度成長期の「金の卵」であった高学歴人材達からの反撃は、相当あったようですが、実はこの対立軸だけでは簡単に収まらないものだったかも知れません。
やはり、知性には「本人の天分」の部分も、かなり影響するのではないかという気はします。
ダチョウの足のような現実的知性に惹かれる者もいれば、鷲の羽のように世界全体を俯瞰して観ようとする知性も、天分によって分かれるし、置かれた環境によっても変わるのかもしれません。
