お金にも困らず、両親に何不自由なく育てられ、大きな挫折や苦労もなく育ってきた方は、往々にして「他人に対して厳しく」なるようです。かたや様々な悲しみや苦しみの中を通り抜け、友人たちからは「よくそんな環境で生きてこれたね」と感心されるような人もいます。概してそうした艱難辛苦を乗り越えてきた人たちは「周りの人たちに優しい」人が多いようです。人には誰でも他人煮には触れられて欲しくないことが二つや三つ位はあるものです。でも前者のような人たちの中には、平気でそうした傷口に塩を塗り込むような行為をしてくる方もいます。他人の悲しみや苦しみが理解できないから、そうした言動を取ることが出来るのではないかと、私は勝手に推測しております。

私は趣味で「占い師」をしておりますので、ときどき鑑定を頼まれることもあります。その経験上、占いをお願いしてくる人たちの多くは「選択肢が沢山ありすぎて悩んでいる人」が大半であることを感じております。「A さんも好きだけれどBさんも捨てがたい。どちらにしたら良いでしょうか?」とか「今の職場の人間関係が耐えられないので、転職した方が良いでしょうか?」とか悩みは様々ですが、多くの方が迷っているのは二つ以上の選択肢がある中で一つに絞り込めず悩んでいるという事です。

そもそも一つしか選ぶ道がないのならば悩んだり苦しんだりする必要もないでしょう。だって、その道を進むしかないのですから。とは言っても「その道を進むことが正しいのか間違っているのか悩むじゃないか!」と反論されそうですが、それはまだ心のどこかに「他の選択肢」が残されているからだと私は思っております。「もうAさんしか私には考えられない」「もう転職するしかない」と思って他の選択肢をすべて捨て去ったら、悩みは途端になくなります。あるのは「自分の決定に対する不安」だけです。その「決定に対する不安」を無くすために誰かに味方になった貰いたいために、友人知人に相談したり占いしてもらったりするのでしょう。それでも「人生は一冊の問題集」なのだから最終の解答は「自分で決定」するしかないし、最終的な責任は「全て自分」にあるのだと考えております。