暗闇の中

暗闇の中

「私はこうして成功した」「私はこれで、お金持ちになった」「私はある時、神から言葉を受けたから、こうして皆んなに説法している」と言っている方々がいらっしゃいます。しかしながら、本当の意味で「悟っているのか?」と問われたら、甚だ怪しいと思われます。「自分を大きくする者ほど小さき人であり、自分を小さき者と思う人ほど大きな人物である」と聖書にも書かれている通り、心狭き小人ほど自分を大きく見せたがるものです。「自分にとって、本当に大切なものは何なのか?」を暗闇の中で探している状態が私達あるならば、一本の蝋燭の火が灯っているだけでも「本当に大切な...
人の己を知らざるを患えず

人の己を知らざるを患えず

論語の中に「人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患う」と言う言葉が出て来ます。「他人が自分のことを理解してくれないと悩むよりは、自分が他人を理解していないことを憂いなさい」と言う意味になります。多くの人の悩みは「他の人が自分のことを理解してくれない。分かってくれない。」から起きている言われています。「あなたは『自分の事を理解してくれない!』そう言いますが、あなたは他人を理解しようと努力しているでしょうか?」そう孔子は皆さんに問うているのでしょう。自分が他人を理解していない程度に、あなたも理解されていないと思えるのならば、一生懸命に...
子供への愛

子供への愛

子供達に愛情を注いでも、いずれは親元を離れていくのだから、何ともやり切れない思いは感じてしまいます。また核家族化が進む現代では尚更に、子供からの恩返しは期待できないでしょう。しかし子供達も、やがて大人になると「親の愛」の有り難みが分かってくる筈です。親が与えたものが、直接親に返ってくる事はないかもしれませんが、親から受けた愛によって、子供達が社会の中で生きる時に、他人に対する優しさや「人のために尽くす」と言う気持ちに、必ず転化していく事でしょう。そういう意味で「親の愛」が死ぬことはありません。必ず残ります。「親に愛された」という気持ち...
人を好きになるって?

人を好きになるって?

「男はつらいよ」の中で寅さんは、愛についてこのように答えています。「最初はイイ女だなぁと思う。その次には、話をしたいなぁと思う。その次には、もうちょっと長く側にいたになぁ思う。そのうち、なんか気分が柔らかくなってさ。あゝこの人を幸せにしたいなぁと思う。この人のためだったら命なんかいらない。もう俺死んじゃってもいいと思う。それが愛ってもんじゃないのかい?」この場面を観ていて、なんだか涙が出て来てしまいました。「そうそう、そんな素朴に人を愛していたんだよなぁ・・・」寅さんの言う愛を忘れてしまった自分に、涙が出てしまったのかも知れません。皆...
人を好きになるって?

愛してきた人

私達は今までの人生の中で、沢山の嫌な人に出会い、多くの愛すべき人達にも出逢って、こうして生きています。でも「あなたはどれだけの人を愛したでしょう?」「あなたはどれだけの人を憎んできたでしょう?」と訊かれたら、私は明確に答えられません。「多分憎んでいる人よりは愛している人の方が多い」と答えるかもしれません。それほど単純な話ではないかもしれませんが、愛した人の人数から憎んだ人の数を引いた時に、プラスであれば幸せな人生だった言えるのではないでしょうか。もしマイナスであったならば、これから愛する人を増やして行けば良いでしょう。愛した人の数が憎...