「エルドシュタール(エルドシュタール/Erdstall)」は、主にドイツ南部やオーストリアなどの中央ヨーロッパで見つかっている、中世(10~13世紀頃)に造られたと推定される、用途不明の地下トンネルのことを言います。
通路の幅は60cm以下、大人が真っ直ぐ歩くことも困難なほど狭く、大人が這って進む必要があります。
しかし、 建設や使用の痕跡(木炭の破片など)がわずかに見つかることはありますが、生活用品や祭具、装飾品などは一切発見されていません。
多くのエルドシュタールは、入り口と出口が同じ場所であり、どこかへ通り抜けるための通路や防空壕としては機能しません。
「何も置かないこと」が意図されていることから、以下のような目的が推測されていますが、現代でも未だ解明されていない謎のトンネルです。
目的の一つとして、余計なものを遮断し、神と向き合うため、または魂を純化するための隠遁・瞑想スペースという説もあります。
また通路の途中には、特に通り抜けるのが困難な極狭箇所(スリップ)があり、通過儀礼や隔離装置として使われたという説もあります。
ヨーロッパ全土で2,000箇所以上が確認されていますが、中世の文献などには記録が一切残されていない、考古学上の大きなミステリーの一つとなっています。